コラム

コラム:新たな地域運営 連載② 集会所は「みんなの居場所」に

 つなセンでは、災害公営住宅の集会所は、孤立を防ぐ「みんなの居場所」となる貴重な地域資源であると考えています。しかし、被災各地では、管理運営がうまくいかず、あまり使われていない実情が浮かび上がっています。そこで今回は、つなセンが考える集会所が「みんなの居場所」となるための基本条件と管理運営方法のポイントについてお示しします。

|つながりには多様性|
 つなセンの取り組みの原点でもある「あすと長町仮設住宅(仙台市)」では、ほぼ毎日、様々な外部団体によって集会所でお茶会やイベントが開催されていました。その頃、各団体からは、参加者が固定客化してつながりが広がらないという声が多く聞かれました。一方で、参加者はそれぞれの活動で少しずつ顔ぶれが異なっていました。「この人がいるお茶会には参加したいけど、あの人がいるのにはねぇ・・・」とつぶやく方もいました。要するに、あすと長町の場合は、個々の活動は固定客化していても、多様な主体が活動していたため、多様な相性が存在し、結果的に多様なつながりが生まれていたのであり、まさに「みんなの集会所」という状況が出現していたのです。そうしたことから、集会所はできるだけ外部に開いて「つながりの多様性」を確保できるよう工夫していくことが大事なんだと、私たちは思うようになったのです。
 では、「みんなの居場所」とするための具体的な管理運営のポイントには、どういった方法があるのでしょうか。

|受益者負担の利用料金制|
 集会所には水光熱費などの維持費がかかります。これを自治会費から払っていくと、なるべく利用を控えようという力学が働いてしまいます。そのため、利用料を設定して、予約して利用する人(団体)に維持費を負担してもらうことが大事になります。すでに料金制を採用している公営住宅も少なくありませんが、そうしたところでは、概ね半日300円〜500円での設定が多いようです。

|居場所ブックレットを配布してます!|
 その他にも、予約を簡便にして利用を促進する方法、鍵の開閉の煩わしさを解消する方法など、大事なポイントがいくつかあります。これらについて簡潔にまとめたブックレットを発行しています。ご関心のある方は、つなセン事務局までお問い合わせください。
asuto@tsuna-cen.com (つなセン事務局)

コラム:新たな地域運営 連載① 見守りは北風と太陽!?

つなセンでは、高齢者等が孤立せず暮らしていけるよう地域の見守り体制のあり方について検討しています。

そしてその具体策として、災害公営住宅の集会所を「みんなの居場所」にする取り組みを各地で展開しています。この取り組みには手応えを感じつつも、同時に限界も感じています。つい先日も支援している住宅で独り暮らしの高齢者の孤独死が発生しました。

そうしたことを受けて、担い手側がより積極的に関与する見守り(個別訪問やセンサーによる安否確認等)についても検討していかねばならないと感じています。先の孤独死が発生した災害公営住宅でも住民同士が献身的に訪問見守り活動を展開していました。他の災害公営住宅でも同様に住民同士で見守り活動を実施しているところがあります。そうした見守りに、安心感を得ている高齢者は少なくないようです。

その一方で、見守る側と見守られる側の相性が悪いことで、過干渉によるトラブルが発生したり、居留守を使うことでさらなる閉じこもりを引き起こしたりするケースが散見されています。まちづくりの現場には「お節介おばさん」の存在が欠かせないとよく言われますが、お節介がすぎると余計に閉じこもってしまうというジレンマに陥っています。

そのような話を聞くたびに頭に浮かぶのが、イソップ寓話の「北風と太陽」です。みなさんご存知かと思いますが、北風と太陽が競って、男のコートを脱がそうとするお話です。結局は太陽が暖かく見守ることで、男は汗をかきながら自らコート脱ぎ、それで決着がつきます。

居場所づくりにせよ、訪問型にせよ、そうした太陽のようなスタンスが見守りの担い手には求められるのではないかと思うのです。もちろん現実は複雑ですから、寓話のように課題やその対策を矮小化してはいけないとも思っています。翻って、「北風にならないことが大事」と言った方がいいかもしれません。いずれにせよ、言うは易しですね。

少しずつでも工夫しながら、誰もが孤立せず緩やかなつながりを生み出していけるコミュニティづくりに注力していきたいと思っています。

※突如はじまりました「コラム:新たな地域運営」ですが、今年度、月に1度のペースで掲載していく予定です。

新井信幸(つなセン副代表理事)