つなセンが日本居住福祉学会2022年度居住福祉賞を受賞しました。居住福祉賞は居住福祉に取り組む団体や個人を対象に贈られる賞で、つなセンが取り組んできた「東日本大震災の仮設住宅におけるコミュニティ形成の蓄積を他地域のまちづくりにも応用させ、居住者と外の力を緩やかにつなぎ、地域福祉の向上を図る活動」を評価いただきました。
なお受賞にあたっての選定理由については下記のとおりです。
〈選定理由〉
つながりデザインセンターの設立は2016年10月だが、その前身は「あすと長町コミュニティ構築を考える会」である。仙台市内最大の仮設住宅であった「あすと長町仮設住宅」において育まれたコミュニティを復興公営住宅に継承すべく、自治会の下部組織として結成された。考える会は、勉強会とワークショップを重ね、仙台市に復興住宅計画を提案したものの不採択であった。しかし、復興過程において被災者一人ひとりが安心して過ごしていけるようにと、発展的な改組が図られた結果がつながりデザインセンターの設立であった。
センターは、復興コミュニティデザインというコンセプトを提案している。それは、復興過程において被災者一人ひとりが自立にむけて、前向きに暮らしていけるよう、コミュニティの維持や形成を支援していくことを意味する。その原点は、バラバラの地域からあつまった「あすと長町仮設住宅」の居住者同士によるコミュニティ形成の模索であった。このような経験を復興公営住宅における居場所づくりに活かすだけでなく、公共住宅のみならず空き家でのシェアハウス運営やブックレット発行、まちづくり系企業など新たな関係者との連携を通じた新たなプロジェクトを模索している。
センターは、仮設住宅におけるコミュニティ形成の蓄積を他の地域のまちづくりに応用させ、居住者と外の力をゆるやかにつなぎながら一人ひとりのwell-being、そして地域のwell-beingの実現と向上に貢献する活動を展開している。ICTの活用や自治組織と企業とのつながりづくりなどである。新しい形での居住福祉の実現とその展開に期待したい。
日本居住福祉学会Webサイト